就活と採活と生活

採用広報・広告を創る立場から就活のあれこれを書いてます。

新卒採用も即戦力?

2010年秋に経済同友会が同会に所属する全国846社に対して実施した「採用と教育に関するアンケート」というのがあります。
この調査で、「新卒採用者に求める能力」を聞いたところ、前回2008年調査では、「論理的思考力」を21.7%の企業が求めると回答しましたが、今回は10ポイント増の30.2%に上昇。あと「問題解決力」も微増。「熱意・意欲」を重視する企業は微減。
それと、少し古いが労働政策研究・研修機構が2005年、企業インタビューを行い、新卒に求める「即戦力」の意味を分析。その結果、「新卒者に対する即戦力の意味するものは、「より高度な基礎能力」と回答。その基礎能力とは、「課題創造・達成力」を軸としており、「即戦力とは、すなわち育成期間を短縮できる力」と結論づけている。また「状況を的確に把握し行動できる人材」を求める傾向が強まっていることが明らかになった。ということです。

そもそも、そんな能力を試験や面接でどうやって判断するのかがわかりません。もし、数回行われる面接官にそういう判断能力がなければ人材の機会損失ということになる。私はどちらかといえば、そっちの方が心配ですね。
状況を的確に把握し行動できる人材。例えば、商社の例でいえば、インドの鉄鋼需要が伸びており国内の質・量ともに問題を抱えているとしたら、商社としては大きなビジネスチャンス到来です。どれだけ状況を把握してどうすればビジネスに結びつけることができるのかが問われます。「なんか、インドでは鉄が不足してるみたいですので、一応現地より鉄鋼需要の資料を取り寄せました。課長、あと、どうすればいいでしょうか。」というような社員は完璧に落第です。状況の把握もできていないし、まったく行動もしていないからです。(これを詳しく説明するのは面倒だからごめんしてね。)
しかし、私に言わせれば、こんな能力が大学3年生に備わってるほうが気持ち悪い。「課題創造・達成力」についても、模擬問題ならできるかもしれませんが、しがらみだらけの実際の企業社会のなかで通用するような能力がある学生がいるとは到底思えないですね。
そのアンケートの記事には、『簡単に言うと企業の本音は……「もう私たちは人材育成をしません。雇ってもらいたければ、自分で勝手に育つだけの基礎能力を備えてきてね。それで入社してからも、自分のお金を使って成長してね。だって、お給料払っているし、それを自己啓発に使ってもらうと会社としても助かるわけ」』というコメントも載っていました。

このコメントのような企業は、若者を社会の財産として受け入れ、社会(企業)が育てていくべきだという「職サークル」を運営されているパフの考え方と全く逆行している。<私はパフの考え方に賛同しています。>いま、企業では極力、教育研修費という「コスト」を抑え、実部隊に早く入隊させたいという流れがありますが、教育や採用活動は投資であるべきです。企業は「人を育てることが使命ではなく、利潤を追求することが企業のミッションであり、株主への責任である」と考えている企業もあると思いますが、これはもう20世紀の高度成長期型企業のままだと言わざるを得ない。だって、従業員があって、はじめて企業活動が成り立っているのですから。CSも大事ですが、その従業員の満足を得られない企業は長続きしません。そんな会社で働きたくないですね、私は。

※そんなの、カンケーネー話で恐縮ですが、ブログのデザインを変えてみました。しかし、タイトル画像(ペンギン大好き!)を変えようとしたら、これが大変なことに。画像が勝手に拡大されてはみ出しちゃうんです。前の席にいるWEBデザイナーにお願いしたのですが、プロでも苦労するほど記述方法がややこしくなってます。なんとか、少し収まったのですが、実は現状でもタイトル画像は実際のサイズより拡大されたままです。素人の方で自分でデザイン変更している人ってすごいな、と思いました。ヘルプで検索しても的を得たページが見つからないので困っております。どなたか詳しい方教えてくださ〜い!