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就活と採活と生活

採用広報・広告を創る立場から就活のあれこれを書いてます。

モチベーション

就職難が深刻化するなか、楽天ファーストリテイリングパナソニックなど外国人採用をする企業が増えている。まだまだ増えそうな勢いです。
日本の大学生の前途はますます厳しくなってきましたね。
でも日本に来ている留学生もそう簡単に就職できるわけではない。
特に大企業での厳しい選考は留学生でも同じです。日本語能力に優れていて(早稲田大学でも留学生には日本語検定一級を推薦しています)、できれば英語もでき、日本での異文化適応力も求められます。日本の大学生よりも相当厳しい条件になりますが、彼らは弱音を吐いたりしません。
ですから、留学生は必死で勉強しています。よく大学でも、企業の面接でも目の輝きが違うといいます。母国や家族の事情なども背景としてあると思いますが、何か日本人が遠い昔に忘れてしまった「夢」へのモチベーションが失われてしまったように思います。
 
楽天の外国人社員として期待されている中国・上海出身の何書勉(ホーシューミエン)氏の話が「AERA4月5日号」に載っていたので、掻い摘んで紹介する。

 何さんは中高時代に日本語を勉強。大学時代には日本で勉強したくて、たった6万円を手に同志社大に留学した。周りの日本人学生は、親からの仕送りで派手に遊ぶ学生が多かった。


「もっと勉強したかった。学ぶことが唯一の希望でしたから」


 何さんは8日間で大学に行くのをやめた。朝6時に起きて午前中はホテルで皿洗い、昼から夕方まで家で勉強、午後6時から焼き肉屋で鉄板洗いのバイト、帰宅後は深夜2時まで勉強という生活に切り替え、1年後に京大に合格した。将来の仕事に繋げたいと工学部でコンピューターについて学び、バイトでプログラミング経験も積んだ。高倍率の文部科学省奨学金ももらって博士課程まで修了した。


 博士論文を書き終わって、やっと06年10月から就職活動を始めた。何さんにとって、日本の就活は、中国のようにコネを必要としない、正当に実力を評価してくれる競争だった。短期間で4社から内定をもらった。楽天を選んだのは、面接で「35歳で起業」という夢を素直に語ったら、「経験を積ませてあげます」と言われたからだ。


 入社後は、大学での研究とビジネスは全く違うと実感した。マネジメントや会計などの知識をつけなければ、会社に的確な提案ができないと実感し、朝会で経営情報を聞いては上司に質問し、ネットや関連図書でさらに深く勉強した。入社後3年たった今は、組織で働くおもしろさを知り、起業よりも楽天で中国事業を成功させることがまず一番の目標になった。

この何さんの話は、特別といえば、特別かもしれませんが、彼らの情熱はスポーツでも圧倒されるものがありますよね。
このような外国人を採用するということは、「グローバルに事業を展開していくために必要」ということだけではなく、きっと「社内(日本人)に向けたモチベーション向上」という波及効果を狙った戦略面も見逃せないように思う。
中国や韓国のような「成長」を肌で実感できるような時代に育たなかった日本の若い人たちにとって、夢や目標に向けた強いモチベーションというのは持ち難い世代です。もちろん、学生時代から起業する人も、入社した企業で大活躍している人もいますが、全体ではほんの一部で、ほとんどは普通のサラリーマン(ウーマン)になるわけです。

先日、テレビで新入社員教育の現場中継をしていましたが、厳しい社員教育をする企業は多いです。もうあのテレビを見た時点で「就職」へのモチベーションが下がりっぱなしという学生もいたと思います。
「そんなにバリバリのモチベーションがなくても、別にちゃんと仕事していればいいじゃん」と思うかもしれません。その裏には、それで「ごく普通の幸せな暮らし」を実現できると思っているからではないですか。
「普通の幸せな人生」をしたいと思うなら、少し考えたほうがいい。
昔の終身雇用が保証された時代なら、それも可能でした。でも今は違います。
社会人になるとモチベーション(どうも好きになれない言葉です)は重要です。
理想的にはモチベーションの上がる仕事を探すべきでしょう。
自らの意思で主体的に目標を立て行動を起こすという「内発的な動機づけ」がないと、「上司からやらされている」とか、「生活のために、やらなきゃ仕方ない」とか、思いながら会社に行かなくてはならない。これは辛いし、続かないし、鬱になる可能性も高い。
しかも、モチベーションがないので、それは仕事に対する姿勢や結果に表れる。

すると、それなりの人事評価をいただく。そうなると同期とも差が出てくる、面白くない、この会社はダメだ。というようなアンハッピーなフローになる。しかし、会社を変えても結果は同じである。
逆に、「目標を達成すれば昇進や昇格する人事制度や成果主義による賃金の見返り」などの「外発的動機づけ」と呼ばれているものでも頑張れる人は強いし、「普通の幸せ」を手中にする可能性は高いです。
この「外発的動機づけ」は「誘因」によって行動を起こさせるものであり、「内発的動機づけ」は「動因」により、モチベーションアップを目指すものとされています。
しかし、そんなややこしいことを考えなくても、自分の夢や目標を持つことで、動機付けなど考える必要がなくなります。

「夢も目標もないし、平凡に人並みに暮らしたい」という人は、いかにそれが大変なことかを知る必要があると思います。現代の会社では「人並み」とか「普通」というのは、簡単には達成されない境涯となりました。
例えば、日本人1世帯あたりの貯蓄現在高は1680万円(平成20年)です。平均というのは「人並み」と解釈できると思うのですが、こんな貯蓄はないという家庭はいっぱいあります。所謂「人並み」以下です。そういう人たちも一生懸命働いている人がほとんどですが、それでも「人並み」の暮らしを守るということが、人並み以上のことをしないと実現できない証拠です。
大企業の生涯賃金は3億円位で、中小企業と比較すると約1億円ほどの差があります。でも大企業に入社すれば必ず成功するとは限りません。またお金の話をしましたが、働く真の目的は今はわからないと思いますが、お金ではありません。そういう人もいますが、それは二次的なものです。
モチベーションは長い自分の人生を大きく左右するものです。最近はモチベーション向上のために講師を雇って社内研修をするというのもありますが、私は違うと思います。それは、もっともっとパーソナリティなもので自然に心の底から湧き上がってくるべきものだと考えています。

 
就活でもモチベーションが上がらない学生もいると思いますが、それはまだそういう気持ちを起こさせる企業や人に出会っていないからではないでしょうか。あなたはこの宇宙であなたしかいません。それが「個性」です。あなたでしか、できない仕事がきっとあります。そして、人の気持ちがわかる人になってください。そうなれば、自然に人のためにとか、社会のためにというモチベーションが根付くようになります。そして、念願の「普通の幸せを掴める人」になれます。きっと。