読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活と採活と生活

採用広報・広告を創る立場から就活のあれこれを書いてます。

就活と情報リテラシー

新年あめましておめでとうございます。久々の更新ですが、就職ナビ、企業採用ホームページとFacebookなどのSNSみん就のような就活ポータルサイト系など、インターネットで調べられる情報はいろいろあるけど、どの情報をどううまく活用していけばいいのかというお話しを情報の作り手から少し書いてみます。SNSなどは、個人の発言(特に偽名)が掲載されていますが、これはどこまで信用すればいいのかわかりません。また、就活関連サイト運営者の記事はどうなのか。出典を明確にしているものは別として、それぞれの主観が入るのは当然です。だからそのサイトで書かれていることが正しいとはいえませんが、間違っているともいえません。ただ、注意してほしいのは、記事内容の文脈が会員獲得や本などの購入のための道筋がきちんと敷かれていることがあります。もちろん社会経験のない学生にはわからないように書いていることがある。どういうことかといえば、例えば「面接は自分なりの対策をしてもうまくいくとは限らない。初めてのことだからこそ、正しい対策で失敗しないようにすることが大切です」と書いてあれば、「やっぱり内定をとれる面接対策は自分流ではダメなんだ」と勘違いしてしまいます。悪く言えば洗脳されてしまうのです。
これについては、いいたいことが山ほどありますが、また別の機会に譲るとして、リクやマイナビなどの就職ナビの情報なら正しいのか。答えはほぼYes。しかし記事を書くのは、ほとんどが企業サイドではなくナビ会社から発注されるライターで、その内容を企業やナビ会社がチェック・修正などをして掲載されています。ライターと企業との間には利権がからむことはないので、そういう意味では客観的だといえるでしょう。ただ客観的に企業のレポートを書こうとしているのですが、ライターも人間ですので主観が一切入らないかといえば、それは不可能だと思います。本来、究極的には人が書いたもので客観的なものってないはずです。
就職ナビの記事は、今年であれば12月1日のオープン前の2ヶ月くらいに記事を書くための取材が集中します。特に重要な顧客である大企業には優秀なライターに発注が重なるため、ライティングの時間が充分とれないことが多い。ライター自身が取材先の企業のことをどれだけ調べてから取材するかによって記事の内容に大きな差が出ますが、それが時間的にも予算的にも、またナビの掲載基準や方針もあり、なかなか自由なレポートができないのが現状です。
一方、それなりの企業の取材には、それなりのライターに発注することになります。ライターが書く記事のスタイルというのは大体決まっていますので、企業によって取り上げる内容にあまり差はでません。だからどうしても似たような内容になってしまうのは今のところ仕方ないかもしれません。
原稿は必ず企業人事のチェックを受けます。ライターは取材した内容をもとに書き起こすのですが、必ずしも取材対象者の発言が全社的な意向であるとは限りません。そういうチェックを中心に、あとは深夜残業話などのネガティブな表現はカットされることは多い。いいところも、悪いところもオープンにすべきという話もよく耳にします。でも、これは内容によります。また、実社会経験のない学生にどこまで自社の内容を伝えるべきかは、伝えて正しく伝わるかどうかということと、伝えることが自社の採用戦略にとって得かどうかという判断が必要になります。前者の「正しく伝わるか?」という視点は学生が無知でアホだからということではなく、経験をして初めてわかることを、経験もしない人に伝えるとこで誤解を招く可能性があるということです。言葉は脳で判断するものですが、感性は実際の五感を通じないと共感できません。いくら斎藤和義のやさしくなりたいという曲が素晴らしいと書かれていても実際に自分の耳で聞いてみないとわからないのと同じです。実は新卒採用広報の難しさはここにあるわけです。でも逆に知らないから情報がほしいのですが、情報というのは発信した時点で過去のものにになります。だから就活でも情報を過信しないようにすることが肝要です。
最後に採用ホームページの情報は信用できるのか。これは基本的には信用できます。ただし、デザインはともかく毎年更新されていることが条件です。よくみると一番下に書かれているcopyrightが2008とかになったままの企業がありますので鮮度の高い情報であることが最低条件です。
なぜ、信用できるのか。いま、学生の間で就職ナビ離れが起きていますが、これは「いいことばかり書いてあり信用できない」というのが本音でしょう。確かに否定はしません。では企業が発信する採用ページはなぜ信用できるのか。答えは簡単です。企業自身が情報の正しさを担保しているからです。真実とはいいませんが、企業が伝えたいことを他の何者にも制約されずに公開できるものです。従って伝えたくないことは伝えないという「その企業の公的な方針に正しく基づいた」情報でもあります。当社は「学生に対してはこのような情報を発信し、このような情報は発表しない」という会社の決定に基づいた情報公開なのです。だから、この情報の発信元を信用できないのならば企業研究する必要がありません。おわかりいただけますでしょうか。
さて、その企業のホームページもライターやカメラマンなど外部のデザイン会社が制作をします。記事の提供もありますが、基本的には就職ナビと同じ様に取材をベースに人事部とともにつくりあげていきます。人事部の関わり方は様々で、その年の新卒生に一任する企業や、ほとんど我々制作スタッフにお任せの企業もあります。そういうことろからも採用にかける企業の意気込みや熱意の温度差はビシビシと伝わってきます。我々としては任せてもらえるほうが進行はやりやすいのですが、最後のチェックで大きく修正が入るよりも制作段階できちんとチェックしてもらえる方が結局は早くいいものができます。
私が考えるいい採用広報とは、企業にとっては採用したい層に伝えたいこと、伝えるべきことが伝わるものであり、学生にとっては就職したい企業の魅力や可能性が示されているものです。逆にいえば就職したくない企業かどうかがわかるものです。採用広報はミスマッチを防止する初期の重要な役割があります。この当たり前のことができていない企業が多いのです。採用ホームページは企業の自慢話を載せる場ではありませんが、そういう企業は結構あります。そして過去と現状の話だけに終始したサイト。これらは単なるデータです。採用ホームページを見ることで企業の新しい発見をし、企業の未来をイメージできてこそ学生が自分の将来を託してみようと思えるわけで、いくら過去や現状の話をされても、自分たちが即そこに加わることはあまりないわけです。なぜならば、内定をとっても入社するまで1年近くあり、入社して新人研修や教育をうけて実際に役立つようになるまでに3年くらいはかかります。入社前の1年を入れると4年後にいまと全く同じことをしている企業があるのかどうかです。あるとすればその企業は大丈夫なのかということです。
今の情報だけで企業を語っていて、〜未来は未知です〜だけでは、まったく知らない組織に足を踏み入れる動機が形成されないと思います。特に優秀な学生ほど躊躇するでしょう。もちろん変化の激しい時代に未来のことで具体的な約束はできませんが、企業にはビジョンがあるわけですから、それを達成するための意気込みや熱意、そのための舞台装置やバックグラウンドなどを示すことは可能です。学生たちはそこで初めて自分たちの未来を少しイメージすることができる。私は常々そう思っています。
やはり採用広報を重要視している企業ほど採用の成功率や満足度は高いですね。
最近はFacebookを採用ホームページともリンクしながら活用しようという流れがあります。公開設定にもよりますが、プロフィールを見れば本名から大学名・所在地もわかるわけで、そういう意味ではエントリーするのと同じです。企業側にとってのリスクもあるのですが、むしろ学生側のリスクが大きいのではと危惧しています。いいね!をしている同じ学生で選考に通らなかった学生がわかる可能性があるのではないかということです。Facebookは情報交換・共有のためのツールであり、採用選考のために開発されたものではないので、採用という生臭い現場でどう活用していくべきかは、もう少し勉強してから次の機会にしたいと思います。

今の就活で大事なことは、情報に振り回されないことです。自分が実際に出会って体験したことを中心に判断することです。これしかないのです。そのためにできるだけ自らが動き、出会いのチャンスを活かすようにしていけば、自ずと自分の将来が見えてきます。「好き」だけで判断するなといわれますが、「好き」の理由なんていらないし、好きという感情は言葉では説明できない大切なものだと思っています。そして、もう一つだけいっておきたいことは効率主義です。就職活動をうまく効率的にできたというのは結果論であり、人それぞれ違うのに同じ様にすれば効率よくできるということはあり得ません。