就活と採活と生活

採用広報・広告を創る立場から就活のあれこれを書いてます。

この面接官は誰だ?

いま、採用の現場ではアウトソーシングを利用している企業が増えている。学生の皆さんはある程度はご存知だと思いますが、各企業の人事担当者だけではマンパワーが不足してしまい、複雑なデータ管理や選考作業がうまくできないからです。また、最近は学生に近い存在という理由で若くて経験の少ない(まったくない)人を新卒の担当者にする企業も増えています。ということは、経験やノウハウがないので採用コンサルティング会社などを利用するケースも多くなってくる。
では具体的に企業は何を「アウトソーシング」しているのか。それは、求める人物像の設定から、採用方針、採用フローの設計、ナビや採用ツールの企画、エントリー者の応募管理、説明会の内容や設定、学生への電話やメール対応、内定者フォローなど、その企業の人事力によって外部化する内容や種類は異なります。「えっ、そんな根本的なことまで?」と思うかも知れませんが、なかには面接まですべてアウトソーシングしている企業もあります。でも経験の少ない人事スタッフしかいない企業では、専門ノウハウのある企業に任せるほうがいい場合が多い。しかし企業の将来を託すことになる採用をすべて「外部化」してしまうのは、ちょっと違うだろうと私は思う。
最近はどうも「採用も科学的に」という流れがあり、エントリーマネジメント(わからない人は検索してね)という考え方で、より効率的に求める学生だけを集める手法を採り入れている企業が増えています。というのは採用人数が減り、より質重視の採用になり、おまけに採用予算が抑制されているからです。確かに10名採用するのに5000名もエントリーがあると、どこまで志望度(本気度)があり、かつどれだけ自社の採用基準に近い母集団なのかわかりません。すべての人に会うこともできない。だから、その前段階で自社の採用基準にマッチする人だけが集まるような採用広報・メッセージを学生に伝えていこうとするものです。それでも、ある程度は書類やテストの数値で絞り込んでいくしかありません。最近はこの適性検査も改良され、その信頼性も高まっており面接の資料としても使われていますので油断は禁物です。

採用とは一定の決まったスペックでその効能を約束した「商品」を納得して買う行為ではなく、生身の人間の「将来活躍してくれるだろうという未知数」を買う行為といえます。学生にすれば、〜「私を採用すれば、こういう性格で過去にこういう実績があるのできっと御社で活躍しますよ」〜ということになります。これを私は自己PRだと思っています。企業と学生のニーズが合えば内定です。
企業(人)が人を採用するというのは、昔からこういうアナログなものであって決して科学的に割り切れるものではないと私は思う。だから最終面接で「まさか」の不採用通知を受け取ることもあるのでしょう。