就活と採活と生活

採用広報・広告を創る立場から就活のあれこれを書いてます。

社会貢献度の高低差

よく「社会貢献度の高い仕事がいい」というアンケート結果がでますが、きっと社会で欠かせないエネルギーやインフラ整備などの会社ということだと思います。そうなると大企業ということになります。その大企業は競争率が高いです。しかもかなりの質重視ですので優秀な学生しか採りません。でも、世の中の仕事はすべて社会に貢献するためにあります。近所のラーメン屋も、農業も、機械メーカーも、鉄工所も、弁護士も、政治家もすべて社会に貢献しています。規模は小さくてもいろんなかたちで社会に貢献していることは忘れないでほしいと思います。

私どもが取材した企業で、金属スクラップや再生タイヤなどの環境事業をしている従業員数38名の会社があります。ここは金属スクラップ工場と狭い事務所でとてもいい職場環境とはいえません。場所も住宅街のなかにポツンとある会社です。しかし、いままで取材したなかでいちばん社員がイキイキとした会社として印象に残っています。なぜだろう?と思って考えると小さい会社なので社長も身近に感じられるのですが、特別に「名物社長」でもない。やはり一人ひとりが自主的に考え、動き、その結果を自分で体感することができるからだと思う。また、それができる社風があるからでしょう。都心のキレイなビルでパソコンとにらめっこするのとはまったく違う世界。皆さんすごく楽しそうで、誰でもすぐに打ち解けてしまう仲間のような会社です。撮影をしてくれたカメラマンも「うちの息子を入れたい」といっていました。会社はデータや外見ではわかりません。就活ではできるだけ会社訪問をしてください。OB・OGの話を聞くことでイメージがガラリと変わるはずです。

  • 社会貢献活動をアピール?

社会貢献といえば、エコ活動などに見られる環境保全を会社ぐるみで取り組んでいる企業があります。いいことでしょう。しかし、そのような取り組みをコマーシャルで流している会社の従業員の満足度はどうでしょうか。私は植樹そのものよりも、その活動を億単位のテレビCMや広告料を支払って報告してもらうよりも、そのお金を研究開発や社員の給料や株主に還元することが先決だと思います。私はそういう活動がすべて無駄だとは思いませんし、賛同できる企業も多数ありますが、売名行為的にしか見えない「活動」が市民権を得ていることに疑問を感じています。先日も都心でおそろいのロゴ入りシャツを着たアルバイトなどがごみ拾いをする光景を見かけました。なぜ、ごみ拾いをするのに企業名が推測できるようなシャツを着せるのか。本来の目的は何なのかがよくわかる一例です。生保業界でも社会貢献活動が盛んですが、コンプライアンスも徹底されていない企業にそんなきれいごとを宣伝されても困ります。4年前に発覚した保険金不払いについては保険金詐欺といわれても仕方ない大事件です。これは大手はもちろんほとんどの保険会社が不払いをしていたが、マスコミは「スポンサー様」なので報道も控え目でした。これに限らずマスコミに掲載された情報は一記者が見た一部の報道だということも忘れてはいけません。なんか話が脱線しましたが、社会貢献度が高いといわれる会社=素晴らしい会社とはいえない。このことだけお話しておきたかった。